年末の風物おせち・おばあちゃんの煮豆。

「こんにちわー」

毎年、年末が近づくと、祖母の家にお鍋を抱えたご近所さんがやって来ます。

その目的は、祖母の煮豆。

お節料理の製作について、ご近所さんがそれぞれの得意料理を担当し、お互いにシェアするシステムを採用しているそうで、祖母の担当が煮豆という次第。

という事は、逆に祖母の方からもご近所さんのお宅へ貰いに行っている筈ですが、彼女は足も悪く、車も免許も持っていないので、そういう人については、運転出来る人が進んで配達してあげているそうで、とりあえず上手く機能しているそうです。

さて、本題である祖母の煮豆ですが、甘さの加減も丁度よく、市販品よりも私は好きです。

少し柔らかすぎるきらいはありますが、いかんせん高齢者が食べる事を前提に作っているものですから、碁石のような歯応えではさすがにちょっと困ってしまうのでしょう。

ともあれ、お陰様でご近所さんさらご好評を頂いている祖母の煮豆は、我が家のお節料理にも並びます。

長年使い込まれた鎌倉彫の重箱に煮物と一緒に詰められて、食卓の片隅で存在感を放っています。

祖母の担当料理は他にも煮物がありますが、里芋、人参、蓮根、鶏肉、茄子と、どれも互いの旨味がよくしみて、毎年楽しみにしています。

もちろん、お正月に限らず煮物も煮豆も(祖母は定期的に作るので)食べられますが、やはりお正月、新年を祝う席で食べるそれは格別の味わいが楽しめるものです。

そして、ご近所さんと挨拶すると大抵は祖母の作る煮豆の話になり、
「作り方も教わるけど、やっぱりあなたのおばあちゃんが作るあの味にはならないのよ。

今年も楽しみにしているから、よろしくってお伝えしておいてね」

と言われるのですが、やはり我が事のように嬉しく、料理が人の絆を深めるきっかけとなることを実感します。

そして、いつか家族にこの味が受け継がれ、我が家における「伝統」として確立したら素晴らしい事だな、と思います。

もちろん、お節料理は祖母の煮豆等だけではなく、母や料理好きな父が腕を奮った料理が並び、お陰さまで我が家のお正月は、なかなか賑やかな風景が広がります。

よく知られているように、お節料理にはその一つ一つに縁起を担ぐ意味(※例:数の子⇒子宝、橙⇒家が代々栄える⇒子孫繁栄ほか)がありますが、そうした由来のない新作オリジナル料理であっても、みんなが幸せな一年を送れるように願う気持ちが込もっていれば、それで十分だと思います。

祖母の煮豆から、新年に幸せを願う気持ちが受け継がれてきた、受け継がれていく事を実感します。

イオンおせち

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